序卦伝は易経の十翼の一つに数えられる経文です。
易経の中で、聖人やその系統の作だとされる彖伝・象伝、それに繋辞伝と文言伝は名文として取り上げられることが多いですが、後半の説卦伝に雑卦伝、そして序卦伝に関しては、かなり時代が下った後世の作だと考えられており、軽視とは言わなくても、あまり重視されない向きも少しあるような気もします。
今回は、その内の序卦伝について少し書こうと思いますが、僕自身は、成立した歴史的背景がどうであろうと(聖人の作であろうとなかろうと)特に関心はありません。本当に重要なのは、序次、つまり卦の流れと、その仕組み(本質)を捉えることにあると思うからです。
六十四卦の並び方、配列というのは、一般に先天六十四卦によるものと、易経に書かれる順序(序卦)によるものとがあります。この二つに関しては、個人的な経験からも間違いなく作用しており、配列に関しても狂いはないと考えています。
この他、孟喜・京房の卦気説や幻雲和尚の後天八卦を基にした配列説などもありますが、それらに関しては僕自身はまだ実際に有効かどうか確認するには至ってません。<参考URL:http://www.fushantang.com/1012/1012a/j0151.html/辛 賢:京房「八宮積算法」試論>
一応、卦気説については、揚雄が太玄経(太玄易)を構成する際にベースにしていることからも興味をそそられるのですが(そして多分、何か使えそうな期待も持っているのですが)、幻雲和尚という方の説は、どことなくこじ付けにも思えるので、今のところ深く追求してません。何か気になることが出てくれば研究するかもしれませんが。
それはともかく、今日は、序卦配列に関する私的な考えを述べてみようと思います。
僕の実感では、易の順序は恣意的に置かれたものではなく、干支の配列と同じように、間違いなく自然界もしくは宇宙の法則性に基づいて体系付けられたものです。この序卦の仕組みの必然性については、残念ながら理論的に説明できる自信はありませんが、方法論次第では実践的に体感することは可能です(四柱推命で干支の流れを経験することができるように)。僕が書いている易の解釈のほとんどは、この実体験からきているといってもいいくらいです。
各卦の文脈的繋がりについては、それが経験によるものでなければ、思考上の憶測で語られることが多いと思われます。もしかしたら、序卦伝の作者(達)も、理屈で考えて前後の卦を結んでいたのかもしれません。
で、僕自身はといえば、以下に示す考え方を用いて一つの指標としています。
これを思いついたのは、ずいぶん前で(確か2004年前後)、データとしては残してあったのですが、どこかに公開するということはしてなかったと思います(乗法については述べていましたが)。せっかくなので、ここに提示しておくことにしました。
※帰蔵法(帰蔵之法)については、陳光ショウ先生のサイトで解説がなされています。こちらのページです。
一方の乗卦については、(易の世界を隅々まで調べたわけではありませんが)たぶん僕のオリジナルで、記憶によれば2001年か2002年頃に思いついたものです。
できれば、いずれ小規模でも「易経探検隊」とでも呼ぶべき研究会を立ち上げて、一緒に研鑽を積んでいける仲間を集えるといいなーとは思っています。でも、そのためにはもっと易の魅力を伝えて、多くの人に易について知っていただくことが先決だと思うので、今、個人的な易経解釈を進めている次第です。
僕にとって易は、実際の仕事にすることがあるかどうかに関わらずライフワークだと考えているので(少なくとも占い師になる気はありません。あくまで僕は技術を共有することに意義を感じているためです)、地道にでも続けていくつもりです。