過去バージョンにあった機能の説明



【旺相死囚休のカスタマイズ】(※現バージョンと設定が違うため、重複もある が、このページに入れておく)

※現在、この項目は上記の「力量計算に地支蔵干も含める」にチェックが入っている 場合にのみ意味が出てきます。

Ver.0.86から導入しました。はじめは逆回転版とファイル分けしていましたが、選択項目に入れて比較できるようにしました。
現在、4つのタイプの中から選択できるようになっています。それぞれで微妙に異なるため、以下に補足説明しておきます。

Type1-A(Type1)/2-A(Type3) : 天干・蔵干ともに旺気を基点として、季節の循環に順行する形で旺相死囚休を当てています。
Type1-B(Type2)/2-B(Type4) : 天干は季節に順行、蔵干は季節に逆行する形で、かつ蔵干の基点とする時季を一つずらしていま す。

なぜ蔵干を1シーズンずらすのか、という疑問があると思います。
これは僕のこれまでの調査の印象と、思考上の理屈から来ていますが、もしかしたら単なる思い込みかもしれません。
イメージとしては、日照や季節と気温の関係のような感じです。実際の太陽高度と地表および空気の温度にはずれがある、ということと似ています。

なお、別法版では、これらのタイプ選択に伴い、それぞれの調候基準値も変化させています。
ここにもブラックボックス(不確定要素、謎)があるので明確な値を取ることは難しいですが、各タイプを試しながら考えてみるといいと思います。
ちなみに、このソフトでの十二運表と対応が近いのはType1-Bもしくは2-Bですが、初期設定はType1-Aとしています。

この設定も五行の力量値や喜忌判定に影響を与える重要項目ですが、タイプを二種類に絞ったことで大きな違いは出なくなりました。
よく分からない人は、とりえあず変更なし(デフォルト)で使ってみてください。

それよりも実際のところ、旺相死囚休に対する数値の割り当てのほうが問題です。
下の表は、どちらも旺を1(100%)とした時の配分ですが、1-Aと1-Bはフィボナッチ数列を基にした割り当てで、2-Aと2-Bは単純分割による割 り当てです。


休(老)
1-Aおよび1-B 1(100%) (旺/1.618)
=0.618(61.8%)
(囚/1.618)
=0.146(14.6%)
(休/1.618)
=0.236(23.6%)
(相/1.618)
=0.382(38.2%)
2-Aおよび2-B 1(100%) 1/2=0.5(50%) 1/5=0.2(20%) 1/4=0.25(25%) 1/3=0.33(33%)

色 々なパターン(※)で試行錯誤した結果、Ver.091β8以降では上記のように設定しています。 
どのタイプでも大体似通った値なので、どれを選んでも大差はありませんが、五行バランスが中庸に近い人、
または外格になるかならないかという際どい位置にある人にとっては、数%の変化でも身強身弱が逆転するケースがあるので、その辺に該当する人は注意が必要 です。

この旺相死囚休(老)の設定値は五行の力量に対する根本的な部分なので、正直言ってシビアな項目です。
現在のところ、これらの値はユーザー自身で設定することはできませんが、必要があれば適当な値を入れられるようにしたほうがいいかな、とも考えています。

※色々なパターン

最 初、僕は旺を1(四旺=子卯午酉および土用期間の場合で、他の時期(四生と四墓の支)は0.9)として、相を0.7、死を0.1、囚を0.3、休を0.5 としていました。
これが実際のデータに比較的合致すると考えていたからです。同様の理由で、便法として旺=1、相=0.8、死=0.2、囚=0.4、休=0.6などの比率 も考えていました。

そ の後、もっと単純に1〜5までの分割数で値を取る方法を試すようになりました。
つまり、旺=1/1=1、相=1/2=0.5、死=1/5=0.2、囚=1/4=0.25、休=1/3=0.33…という具合にです。
上表にあるように、現在(Ver.0.923β8)ではType2および2-Bにおいて、この分割方式を用いています。

さ らにその後、フィボナッチ数の小さい項目を参考に分割数を考えていました。
例えば、以下のようなものです。

★  旺=1、相=(旺/1.618)=0.618、死=(囚/1.618)=0.146、囚=(休/1.618)=0.236、休=(相/1.618)= 0.382

☆  旺=1、相=(旺/1.5)=0.666、死=(囚/1.625)=0.154、囚=(休/1.6)=0.25、休=(相/1.666)=0.4

* 旺=1(1/1)、相=(旺/2)=0.5、死=(囚/1.6)=0.125、囚=(休/1.666)=0.2、休=(相/1.5)=0.333

上 の★は、フィボナッチ数によって次第に収束していく果ての数字、1.6180339887…(黄金数α=(1+√5)/2)を元に単純に割っていったも の。現在のType1に採用。
中の☆は、フィボナッチ数の最初の1二つを除く2、3、5、8、13を使って、それぞれの次の数字を自身で割ったもの。つまり、3/2、5/3、8/5、 13/8。
下の*は、フィボナッチ数の1、1、2、3、5、8を使って、それぞれの次の数字を自身で割ったもの。つまり、1/1、2/1、3/2、5/3、8/5。

*については、Type2で採用している1〜5までの単純分割と値が近いため、Type1と比較しずらいと思って外していますが、
どれが最も実際性があるのか確証がない現状では、単純分割の代わりに*方式を使っても別に大差ないだろうとは思います。

こ のほかにも違うパターンや、この頃はフィボナッチ数の姉妹数とされるリュカ数についても考えを広げています。
ただ、今後どんな値をあてはめるにしても、概ねの値は直感的および経験的に分かっているので、今とそれほど大きくずれることはないでしょう。


【喜忌判定の選択】

このソフトでは、喜忌の判定をする前段階として五行の力量を計算させています。
その上で、「喜忌を静的に捉えるか、動的に捉えるか」をユーザー自身で選択できるようにしました。

なお、これには力量計算に蔵干を含めるか否かで、結果が大きく異なってきますので、注意が必要です。
喜忌のような明確さを求める内容には、蔵干を含めず、天干のみで出したほうがいい場合もあるでしょう。使い分けが必要かもしれません。

一般的には、命式の五行バランスおよび日主(日干)の強弱を基準として固定的に喜忌を出す、ということになっています。
ただ、動的判定を基準とする方法も各時期での違いを掴み取れるため、
上手く併用する(力量値が以上に高まっている時期など限定的に動的判定を採用する)といいのではないかと今は考えています。

【命宮干支】

以前ここに入れていた“日主の展開(下記参照)”を 廃止して、参考までに命宮干支を求めることにしました。
四柱推命で命宮を用いるというのは個人的には不思議なんですが、七政四余を併用していた頃の名残でしょうか。
どういった応用法があるのか知りませんが、表示することで気が付くことがあればいいかな、というのが導入した理由です。

ところで、命宮というと紫微斗数や六壬でも使われますが、内容からして四柱推命の場合、六壬のそれに類似しているようです。
しかし、考え方は若干異なりま す。六壬は月将(12サインと同一)を、四柱推命は節気(12サインの中点を結ぶ30度間)を基準にしているからです。
もし、これが西洋占星術でのASCサインを求めるためのものだとすれば、六壬方式にしろ四柱推命方式にしろ正確を期すことは無理です。
人によっては、どちらの表繰りを使ってもASCのサインと一致しないこともあるからです。あくまで目安になるに過ぎません。

根本的に、そもそも節気から求める命宮というのが一体何を意味しているのか不明だったりしますが・・・。
なお、白帯では黄経を求めているため月将方式で命宮支を出すことも可能ですが、とりあえず今は四柱推命方式で出しています。
表繰りなどの詳細はこちら


各種設定

Ver.0.831以前の図。現在では、カットしたものと追加したものがあります。
※蔵干タイプと逆旋の選択に関しては、要望によってVer.0.835βで復活させました。

・大運タイプについて。 (Ver.0.831以前)

一つは、古来より使用されている伝統的な技法で、節入り後の経過日数(度数)を大運の順逆に併せて3で割るという方式です。
手持ちのどの本を見ても、また、四柱推命を解説している主なサイトを見てもこの理論が踏襲されており異論は無いように窺えますが、流派によっては独自方式 を主張されているところもあります。
いずれにせよ、何千何万というデータに基づく確証のある方式ということなのかもしれませんが、僕にはよく分かりませ ん。

3で割るというのは、30日を10年とするところから来ているとされています。ただ、個人的には干支を5年ずつに分ける方法論も取り入れているので、次の 項目の「逆旋」のケースも考慮せざるを得ません。
まあ、現実的にはぴったり半々か、という問題もあるのですが、現段階ではとりあえず半々にしてあります。

一方、「デカネート(decanate)方式」というのは西洋占星術の理論で、一つのサイン(十二星座)を10度毎に区分したものです。
別名にデーカン(decan)とも言います。いずれにせよ、「deca」というのが10を表しています。
もともと大運は10年を基礎としているのだから、これをデカネートと関連付ける占星家がいるのも不思議なことではなく、僕はむしろ自然だろうと思います。
ただ、デカネートと関連があると述べている方も伝統的な大運方式を使われていたりするので、ちょっと中途半端に感じました。

僕としてはプログレス(進行法)における太陽の位置は運勢の航路を読むのに都合が良いと思うので、これを使わない手はないと思います。
ただ、東洋占には陰陽の別があるので、「デカネート方式」を作るに当たっては生年干と男女による順逆も考慮に入れています。

計算法は至って簡単で、各サインの0度・10度・20度の地点からの経過度数を起算点として、それに順逆を踏まえて単純に1度1年法に当てはめているだけ です。
よって、順旋ならば通常の占星術におけるデカネートと一致します。一方、逆旋では太陽の進行方向を仮想的に逆行させれば、このソフトの時期計算と一 致するはずです。
もちろん、この場合では3で割る意義などないので、普通に仮想時間の順逆のみを考えれば良いことになります。

なお、「デカネート方式」では、十二支(節気)ではなく十二サイン(中気=六壬でいう月将)に基づいて算出しているので、これを徹底させるのならば、行運 も含め全体としての改訂が必要かもしれません。

※個人的には「伝統的手法」で良いとは思ってます。「デカネート方式」は、あくまで西洋占星術との比較のためです。
現バージョンでは伝統的大運法を採用しており、選択から外しています。必要な方は、過去バージョンを使ってみてください。


・逆旋の選択について。(Ver.0.85以前)

「大運逆旋の場合に、支を前半、干を後半にする」

この項目は、陽年干の女性(陰)および陰年干の男性(陽)のケースに対する設定です。つまり、大運が逆旋になる人用 の項目。
大運の流れを順旋と同じく干→支とするか、反転させて支→干とするかを決めます。これは大運だけでなく、年運の運気にも関係してきます。
一般的には「反転なし」ですが、反転させると通変・十二運が入れ替わり、それに伴って栄枯盛衰グラフや行動特性の判定も変わります。
特殊な方法ですので一般的な書物では見たことはありませんが、こういう読み方をする方も少数派ながらいるようです。

もともと10年間も同じ通変や十二運では長すぎるということで5年区切りを採用しているので、この逆旋の設定は実の ところ重要だったりします。
当初は大運以外の年月日の行運にまで適用していましたが、現実問題として年月日と大運とでは時間の概念が違うじゃないかと思い直し、大運のみにした経緯が あります。
しかし、現バージョンでは年月日も前半と後半に分けている以上、これは無視できない問題でもあります。

というのは、干支は同時に来るというのが原則的な考え方なので、そもそも前半も後半もなく、その両方の影響を同時に 各タイムスケールの中で受けているとも言えるからです。
個人的には、前後に分けるというよりは、むしろ影響力を二つに大別したものという風に捉えるのがい いのではないか、とも思っています。
分けること自体には意味はあっても、それを前半後半として固定的に考える必要はないかもしれません。

一応、大運に関しては個人の内部時間であるため、順行・逆行の別によって蔵干の取得法が異なってきます。
つまり、大 運順行の人は本気を後半の蔵干 とし、 逆行の人は余気を蔵干としています。
厳密に言えば時間按分して余気・中気・本気の期間を個別に示すべきですが、今のところ前半と後半とで大別している構成 上、中気は考えずに強引に本気か余気を採用することにしました。


・気質タイプの選択について。(Ver.0.8332以前)

身旺・身弱判定の際に、日主の五行のみで考えるか、サポートする印の五行も含めるかが選択できます。
平常時では印も含めて判断すれば良いと思いますが、運気の荒波に揉まれた時に自力を発揮できるかなど、他力に頼れない状況では日主の五行のみの方が適して いるでしょう。
臨機応変に使い分けてください。


・納音&貴人神殺について。 (Ver.0.871β6以前)

これにチェックを入れると表示されますが、そのぶん計算処理に時間が多めに掛かります。

納音については本来の四柱推命(子平・三命・命理などと中国では言われているらしい)にはなかった要素だろうということで、
僕は特に気にかけていません が、参考文献の不二龍彦さんや歌丸光四郎さんの本には出ていたので、一応入れてあります。
まあ、四柱推命としてではなく、別術として捉えれば納音は興味深い理論ではあるので、使い方によっては有用だろうとは思います。

貴人神殺に関しては、ネット・サーフィンする限りでは完全否定されている方が大半のようですけど、僕は使えるものもあるという立場です。
このソフトに入れてある貴人神殺は参考文献やネットに散見されるものを取り入れただけで、特別に取捨選択したものではありませんが、
色んな人のを見ている と現象の特徴を捉えていると思われるものもあるので、一概に切って捨てるような無用の長物ばかりでもないようです。

なお、白虎殺に関してのみ個人的に設定しました。というのも、本やサイトに出ている内容に統一性がなかったからです。
自分自身の事故の経験や実例検討などの結果から、現行では次のようにしています。年日地支からで良いかは未確定ですが。

年・日地支

白虎殺


もっとも、他の神殺にも統一性のないものは多々あって厄介ですが、それらを一々チェックはしていません。
まあ、何か気がついた時に検討してみるという具合です。

たとえば駅馬の出し方には月支からと年・日支からの二通りがあります。古典的には後者でしょうか。
紫微斗数でも意見が割れていますが、一応、僕は月支から求める方式を採用しています。

あと、干支の組み合わせで「魁罡(かいごう)」というのがありますが、このソフトでは入れてません。
別に入れなくても、たった4つ(庚辰・壬辰・戊戌・庚戌)だけなので、必要ならば覚えてしまえばいいと思ったからです。
個人的には特定の干支を特別視するのは好きではないので、単にその性質を知識として頭に入れておけば良いのではと考えます。


命式表(日本)


【日主の展開】

通常は日干と生まれた季節との関係で旺相死囚休(僕は休=老という名を使っていま す)を考えるのですが、ここではも う一歩進めて帰結としての時柱との関係も入れています。
これは一般的でない視点なので実証的には意味があるかもしれないし、無いかもしれないものだと思っ ていただいて構いません。実験項目です。

死とか剋とか恐ろしいイメージを喚起させる表現も入っているので好ましく思わない方 が多いと思います。僕もそう思い ます(苦笑)
タイプ分けして「今年を象徴する漢字一文字」みたいに多種類にしようかとも考えましたが、法則性が希薄になりそうだったので止めました。

実を言うと、ソフト作成の初期の五行の力量チェックに、この時令(?)の概念を取り 入れた方式も作ってみたことがあ ります。
なので、この項目はその名残りと言うことになるのですが、現実問題として時令の要素が加わるのと加わらないのとでは五行の配分が雲泥の差になることもあ り、採用すべきか判断に窮しました。
少なくとも月令と時令とを同レベルで考えることはできそうにもなく、そこから7:3とか8:2といった割合を設定して 計算してみましたが、どうもしっくりこなかったので現時点での導入は見送りました。

そもそも月令を基にした旺相死囚老(休)による力量判定に不足があるのかどうかを見 極めずに、いたずらに理屈を弄ん でも仕方ありません。
もし、多数の人を検証し、どうしても月令による方法だけでは十分でないということであれば、そこで初めて考慮する意義が生まれて来るだろうと思います。
と りあえず、現時点としてはそんな状態なので、今後導入するかどうかはわかりません。


【人間関係】 → 【行動特性】に変更

Ver.0.72より導入しました。Ver.0.76にて項目名称を変更。
試行錯誤を重ねた末、ようやく使えそうなレベルのものができたので、Ver.0.76のUPと共に、ここの内容も書き改めます。
→Ver.0.832にて、いったんソフトから外す。使える使えないはともかく、やっぱり、こじ付け的な理論なので。現在Ver.0.831
が最終版。

通変関係と干関係

この項目は、僕が奇門遁甲をかじっていた経緯から生まれたものといっても過言ではないのですが、100通りの干の配合から象意を採っています。
ただ、ネットを調べてみると四柱推命には四柱推命の干配合の解釈があるようで、奇門遁甲のそれに慣れていた僕にとっては、多分に違和感のあるものでした。
その辺りの問題はあるのですが、実例を考慮しながら過去(2007年春)に僕が書いた100の解釈に手を加えたものを使っています。

基本的にはオリジナル性の高い解釈だとは思っていますが、「白帯」作成時に参考にした文献もありますので、ここで紹介しておきます。

「運命の岐路を読む 奇門遁甲入門」(増田眞介/著 日本文芸社 平成元年発行)

※この本は2008年で買いました。定価750円ですが、その倍払っても買う価値があると思います。
「行動特性」で表示される解釈には反映されていませんが、主に精査や確認、および再考察のために用いています。

なお、ここで用いている干の配合は、大運と年運、年運と月運というように、大きいスパンと小さいスパンの兼ね合いです。
そして、それらの通変をいったん定位的とも思える十干に再変換したものを使って相関性を見立てています。

再変換は、比肩→甲、劫財→乙、食神→丙、傷官→丁、偏財→戊、正財→己、偏官→庚、正官→辛、偏印→壬、印綬→癸としました。
占星術の星座やハウスの支配星みたいな対応として考えたわけです。

簡単に言えば、通変同士の関係を見る一般のやり方に、僕なりの別案を追加したに過ぎません。
でも、不思議なことに、本来的には同じ要素を使っているわけだから象意も似た感じになっていいはずなのに、実際にはそうじゃない。
これは厄介なところかも しれません。まあ、便宜的に融合させた意味を作ればいいのかもしれませんが、それでは個別の象意が不明瞭になってしまうため止めました。

ところで、これとは別に、単純に日干と各時期の天干との関係(一言で百様とか百格とか呼んでもいいけど)で解読できないかとも考えて作成したりもしました が、
あまり多様性(個別性)も出ないし、実際に当たっているとは思えなかったので取り下げました。今は、現行の方法で良いという認識を持っています。


さて、当初は「個人の運気」と「人間関係」の絡み合いを焦点に考えていたわけですが、どうも「人間関係」とするとイメージが狭まってしまうために適切では ないなーと悩んでいました。
それでいろいろと現象との比較をしていく内に「行動心理」という言葉が思い浮かび、その後、「行動特性」という名称の方が良さ そうだと感じたため、今はそれに収まっています。

行動心理にしても行動特性にしても、他者や社会との関係のベースとして働いていると思うので、この項目は先の「栄枯盛衰グラフ」をより基礎的な見地から見 たもの、と考えるのがよいかもしれません。

ただ、これも先の「栄枯盛衰グラフ」同様に、個々の喜忌や用神などの補正的視点は入っていないため、一般的(平均的)な判定です。
やはり良くて6割程度の信頼性が関の山だろうと思います。全体的な割合からすると悪い象意の方が多いので、凶の意味内容は少し割り引いて考えてもいいかも しれません。

それと一応、9段階のレベル分けをしてありますが、命式によって個人差があるはずですから、あまりとらわれる必要はありません。
実際、設定した僕自身、例えば「上の下」と「中の上」を明確に区別しているわけではないですし。単なる状況判断の目安です。
基本的には上中下の大まかな輪郭を捉えるくらいでいいのでは、と思います。

この項目と「栄枯盛衰」は、同じ要素から出しているにも関わらず運気の高低と吉凶成敗の上下が矛盾するときが度々あります。
単純な見方をすれば、運気レベルが高くて、さらに行動特性レベルも高い場合は良好な時期になりやすく、逆に、運気レベルも行動特性レベルも低い場合は過酷 な時期になりやすいでしょう。
また、一方が高くて一方が低いという場合は、吉凶交々という感じでしょうか。

それから、ともに中間的ならば可もなく不可もなく、という時期になる傾向があるかもしれません。
もっとも、中間というのが一番レベル分けしづらい(吉凶半 々の極端なのも含めている)ため、一概には言えませんけど。
また、幾つかの事例を見る限りでは、「開運 四柱推命入門」(前出)に書かれているように、同 じ通変同士の組み合わせのケースでは身旺・身弱も影響しているような気もしています。

例えば食神/食神の場合、身旺側の人は良い意味に働きやすく、身弱側の人は悪い意味に働きやすい、といったことです。
しかし、再変換した干関係では丙/丙となって凶意の方が強いので、ベースとしてはそもそも吉ではないのかもしれません。仮に、吉の意味として作用するにし ても手放しで喜べるものでもないようですし。
この辺り、先述した奇門遁甲と四柱推命の干関係の象意の差も影響していると思うので一概には言えません。

そもそも、奇門遁甲の場合は干と干の関係が明確でブレは少ないですが、四柱推命の場合は命式全体との兼ね合いもあるでしょうし、
どういった状況や人間関係 の中にあるのか、ということも大いに影響しているように思います。

ところで、この「行動特性(心理)」は個人の状態を言うだけのものではなく、対人面での相互関係や外的環境と自分との折り合いをも示します。
なので、象意の解説もその辺りのことを加味して書いています。
もっとも、まだまだ研究途上で改良の余地が多々ありますので、今後のバージョンアップに反映 させていこうと思っています。

最後に、注意事項です。

一応、参考として日運にまで判定の結果を入れていますが、ことさら気にかける必要はないと思います。というより、精神衛生上、気に掛けない方が良いでしょ う。
象意自体、幾らか断定的な書き方をしているので、日常に関係する行運では当たらないことの方が多いはずです。
なので、日運(あるいは月運も含めて)に関し ては「運気」や「行動特性」の内容にとらわれないようにしてください。過ぎ去るのが早い行運で一喜一憂していても仕方ありません。


※ 雑感(Ver.0.7の初UP時に書いたもの)

1.「決定版 四柱推命の秘密」 歌丸光四郎[著] 栗原晶子[編] こう書房 2001年
2.「決定版 正統四柱推命術詳解」 不二龍彦[著] 学習研究社 2006年 & 同著者・同出版社「正統四柱推命術」
3.「四柱推命 暦と運命への科学的アプローチ」 松倉孝宗・甘木太郎[著] ラッセル社 1998年
4.「開運 四柱推命入門」 田口二州[監修] 白鷺貴美子[著] 池田書店 2000年
5.「はじめての四柱推命」 山東万理女[著] 田口二州[監修] 1992年
6.「四柱推命なるほど読本」 千種堅[著] 廣済堂文庫 1989年 7.「四柱推命学」 千種堅[著] 光文社 1977年

参考文献の内、実際にソフト作成に参考にしたのは1〜4が主です。あとは読本というか知識として頭に入れ た程度です。
何がどの流派なのかとか、そういうことはイマイチわからないのですが、ほとんど意識していません。使えるものがあればいいと思います。

ただ、本によって蔵干の出し方や神殺の繰り方、身強身弱の判定法などに差異があるのには困りました。
さらには判断の仕方も自分程度の技術力ではソフト化できそうにもない面があって難しく感じています。

一応、蔵干については色々見比べてみた結果として、節入り日時からの深浅で全ての蔵干を求める方法を採用しています。
それにそうしないと、命式にしても行運にしても、通変を出す際に星が多くなりすぎて判断が複雑化してしまう。これは初心者にとっては混乱の元と判断しまし た。

また、ソフトを作っていく過程で本に書いてあることに従っても実際と適合しないと感じることもあり、それらの部分は独自に創作しました。
例えば、五行力量判定とか、蔵干の十二運の盛衰表とかです。なので、一般に座運とか引従の十二運とか呼ばれているものと僕の作ったものとは異なっていま す。
同時に、命式への配置も居・逢・座(引従)を各々スッキリすると思われる場所に入れました。

初心者的に見ると、どうして「こんな風にしているんだろう?」と不思議に思う箇所が随所にあって、ちょっと消化不良気味です。
特に思ったのは、行運についてです。

大運を初め、年運表や月運表を作るに当たって、そして作ったものを元に検証するに当たって、どうしても10年とか1年といった区切りでは実際とは符合しな い例が沢山あると感じました。
なので、西洋占星術のデーカンとかサビアンとかドワッド(正確にはドゥワドシャーンシャという)のような考え方を導入して、 大運を5年区切り、年運を半年区切り・・・という風に半分ずつに分けて考えることにしました。
たぶん、この方が鑑定精度が上がるんじゃないかと思います。 (ドワッド的な考え方をするならば2.5年運とか3ヶ月運っていうような元の1/4の行運もできないことはないかも)

ちなみに、ネットを調べてみると実際に5年運を採用している流派(個人?)もそこそこおられるようで、ちょっと安心しました^^;
もっとも、本当に干と支でキッカリ半分ずつにできるのか、という疑問もあるのですが(もしかしたら1年くらい前後している可能性もある)、
現時点ではとり あえず皆さんに真偽を問うということで、半々にしています。(必要なら、半年や1年ずらせるような設定を入れてもいいです。)

同様に、行運における年や月の区切りについても現時点では教科書的に立春と節気中気日で算出していますが、
個人的な意見としては行運(流年)での年の移り 変わりは立春から前後するかもしれないとも思っています。
実際、検証している中では人によっては立春とするよりも、それ以前の中気もしくは節気(例えば大 寒や小寒、時に冬至)の方が現実と合っていると思えるケースがあります。

この辺り、個人差があるのかもしれませんので、今後の研究が必要そうです。
思うに、個人差といえば出生時間(時柱)、もしくは四柱推命の理論的には節入り 後の経過度数(日数)を割当てるといったことが考えられます。
よもや半年とかずれることは考えにくいですが、先の細分化の理屈のように考えれば3ヶ月程度 までは許容範囲かもしれません。

ところで、プロトタイプにしているのはまだ作成できていない要素が残っているからです。
一つは年月日それぞれの五行力量の変化グラフで (追記:作成済み)、もう一つは喜忌と用神の選定に関して(追記:βバージョンを公開中)です。

手持ちの本では用神や喜忌について触れている書は少なく、情報不足の感が否めません。これについてネットで調べてみても、各人が異なった内容を書かれてい たりであやふやなようでした。
僕としては自作ソフトで検討した結果として、現時点では「五行の力量を考慮すれば、バランスを量るにはどうすれば良いかは自 ずと判るはず」という立場をとることにしました。(ただの“開き直り”とも“言い訳”ともいう)

実際、専門家の方は大概、「四柱推命はバランスの学問」という趣旨の事を仰っているので、本質的には五行の配分の見極め、そしてその力量変化にどう対応す るか、ということに尽きるのかもしれません。
この点を顧みれば、下手に条件分岐の困難そうな喜忌や用神を表出させて誤ったものを提供してしまうリスクを冒 すよりも、各自で五行配分や変化グラフを熟慮する中で均衡とか中庸についての感覚を養っていくのが本筋ではないかとも思えます。また、そのほうが学習とし て適正かもしれません。

一応、格というのは僕のイメージとしては、占星術のチャート・パターンのようなものだと思っているのですが、もしそうであるならば「全体の傾向と、そこか ら受ける人物の印象を大掴みする額縁(フレーム)ようなもの」と考えられます。占星術では五行の代わりに火地風水とかCFMとかASCといった構成要素の 配分を見て、その人の人生傾向を全体的・総合的に捉えることで、細かく読む際に考え違いを起こさないようにしますが、それに似ています。要するに、まず大 を見て、それから小の分析に入るという手法です。

例えば、一行得気格とか木と火のように隣り合う二つの五行しかない場合は「バンドル・パターン」と同じような感じですし、五行完備の偏りのないタイプは 「スプラッシュ・パターン」、五行完備に一歩届かない(一つの行が欠けている)タイプは「ロコモーティブ・パターン」、両神成象格と呼ばれる、特に冲(オ ポジション= 180度)の関係になる五行(例えば水と火とか)しかないようなタイプは「シーソー・パターン」、二行か三行のみで各々が同程度に配合されているタイプは 「ボウル・パターン」、三合の関係になる支を持つ命式は「スプレー・パターン」、何か一つの五行(干)だけが他とは別格になっているような雑格タイプは 「バケット・パターン」もしくは「ファン・パターン」、アスペクトで言えばカイトなど――といったように考えることができます。

こうした類型化は、それが顕著(特徴として明確に判別できるもの)であれば視点としては役に立つのですが、必ずしもそれを適用しなければチャートが読めな いというわけではありません。
むしろ、無理に当てはめてしまうことで余計な先入観になって読み間違えるというおそれもあります。火地風水やCFMやASCにしても、それ単独で何から何まで語れるほど万能ではないわけですし。

こうしたことを踏まえると、その人の命式を読む際に全体(人生・人格)の傾向を大掴みするのは有用ではあっても、判定が微妙なタイプに対してまで格(タイ プやパターン)を決め付けるほどの必要性はないとも思えます。

最後に、ソフトを作成する過程でずっと(そして今も)考えていることがあります。それは「バランスを取る」ということの真意です。

現実として、時期によっては命式の五行が比較的出揃うことがあるのですが、そういう場合に限って、調子を崩してしまうケースが度々見られます。また、個人 的にも振り返ってみるとそういう体験が多い気がします。
特に、本来自分の命式にない五行が大運などで現われて来たときは、命式がビックリするのか、バラン スを取るどころか逆に不安定になってしまったりします。

通常(出生時)の自分にない要素が突然湧いてくるとなれば、やはり急には対処しづらいものだと思います。仮に、個々の適応能力の高低が関係するにしても、 いきなり適応できるわけではないでしょうし。
新しい要素の出現に心身が慣れるまではアンバランスな状態に陥ったとしても無理からぬことではないでしょう か。

こうしたことを思うと、実際問題、“命式五行のバランスを量るとは一体どういうことなのか”と、ずっと気に掛かっています。
正直なところ、達人の方々は、これについてどのような見解をお持ちで、またどのような処方を施しているのでしょうか。
僕的には、この命題が解決できないと何だか先に進めないような気がしているほどです。いやがおうにも四柱推命の奥の深さを感じます。

話が長くなりました。

僕自身、まだ学び始めて僅かな期間でしかなく、まさにソフト名通りに「白帯」なわけですが、これが漸次レベルアップしていって、「茶帯」そして、いつか 「黒帯」になれたらいいなーと思っています。